【天井面には一つも照明を設けていない。少ない照明でも必要な明るさを保っている。】
less is more
は、ミース・ファンデル・ローエが残した有名な言葉だ。
最近、この言葉が意味する所を素直に受け取れるようになった気がする。
建築は大きな買い物といえる。私がよく依頼を受ける「住宅」も然り。限りある予算の中で出来るだけ最大限のパフォーマンスが出来るよう日々考えている。
そこでなのだが、平面計画でも、モノでも、「有ればいいな!」と云うものは次々に出てくる。しかし、全部それを詰め込むことが幸せな満足できる家になるかと言えばそれは否である。
「有ればいいな」を再検討する必要があるのである。
例えば平面計画で言えば「収納」。当然あれば便利なのだが、場所や大きさが肝。同じ床面積の建物の中で考えると、収納を沢山取ればそれだけ居住面積が小さくなる。また収納やドアや窓など開口部を取ればその周りには物が置けなくなり家具の配置が難しくなる場合もある。詳細は今後の間取りを考える回に再考したい。
小さなことで言えば「コンセント」も然り。色々な所に有れば便利そうだが、そもそも今の家電は充電式・コードレス化が進んでいて家電が常時居座る場所にコンセントが有れば、部屋の各所に掃除用と称するコンセントは不要になったのである。コンセントなどが無い綺麗な壁面はスッキリ見え美しいと思う。
「照明」も計画を大切にしたい。ついついココにもあそこにもって付けたくなるが、本当は照明なんて無くても必要な明るさが有るのが一番いいのだ。