庚申堂の家

鳥栖市の新しい町に隣接する計画地だが、通りを一つ入った丘の斜面にあるその土地は喧噪から逃れ、目の前には果てしなく続くかの様な、広大な麦畑が広がっていた。
丘の途中に建つこの家は遠くからもよく見える。この風景に建物をなじませる事と、リビングから広がる西側の景色の取込み方が設計の一つのテーマとなった。
深い軒の出で西陽を遮り、景色を存分に室内に取込んだ結果できた外観は、子どもの時に見た昔ながらの家型となり風景の中に溶け込んでいる。

【施工】杉山建築
【写真】針金洋介